家賃を自分で払う日が来た。
1,200円を取りにいかなかった
25歳の話。
半年働いた。貯金ができた。それを親は見ていた。
口座を聞かれたとき、「自分のを入れて」と言われた。
あぁそうか。もう、そういう歳か。
家賃を自分で払えという宣告
あぁ痛い。
親が家賃を出してくれない。今まではそうじゃなかった。今までなら当たり前に出してくれていた。だが俺がこの半年、それなりに働いた。その弊害と、2年遅れの卒業祝いによって、俺には金があると認定されたらしい。
家賃、光熱費、通信費。もろもろ。全部、自分で払わないといけなくなった。
契約したアパートの支払い口座に親の講座を入れるつもりでいた。当然のように。こっちが出してもらおうという思惑があったことすら、相手にそういう疑念を抱かせる瞬間はなかった。自然に「自分のやつを入れて」と言われた。いかにも当たり前のように。
あぁそうか。
そういう歳か。
もう24歳。まもなく25歳になる。25歳が若者としての最終的なリミットだと、俺は思っている。ここから先、「質より量」が通用しなくなっていく。なのに、量すら積み上げ切れていない。
1,200円の後悔
そういう状況になって、真っ先に頭をよぎったのが1,200円のことだった。
派遣社員のメンターとのやり取りが面倒くさくなって、返信を無視していた。交通費の申請。たったそれだけのことだった。
派遣社員を経験した人なら分かると思う。申請するところがばらつくのだ。「こちらに申請してください」と言われたフォームに入力したと思ったら、「それじゃなくて、こっちのLINEグループにある申請フォームから入力してください」と返ってくる。あの、たらい回し感。
それが何回か続いて、だるくなった。そして無視した。
正直、ちょっと金が入ると大胆になるのだ。
そんなはした金より今日学ぶこと、今日向き合うゆっくりムービーメーカーの時間の方が大切だと、半ば本当にそう思っていた。
その「向き合った時間」で換金されたのは、わずか3,000円程度だった。
3,000円稼げてるからいいじゃないか、と思うかもしれない。だがそれは、本当に時間をかけた音楽に関する発信で得た金であり、しかもブログに発信する熱がまったくこもっていなかった黎明期のブログを潰した上に成り立っている。AIの黎明期だったから稼げただけだ。
2ヶ月後の予想をする。俺はたぶん、こういう1,200円の申請は反省してきちんとやるようになる。損をしないような行動はすると思う。そこまで馬鹿じゃない。だけど、それだけだ。
辞めた理由の内訳
AIを使いこなす時間を確保するために仕事を辞めた面が、本当に2割ある。動画制作のためが1割。
だが残りの5割ぐらいは、仕事が本当に退屈だったからだ。
日々の生活に支障をきたすレベルだった。休日まで暗い気持ちを持ち越さないといけない。月曜から金曜まで退屈が圧をかけてきて、土日にまでそれが染み出す。だから働くのマジで向いていないかもしれない。
| 退屈(5割) | 日常に支障をきたすレベル。休日まで暗い気持ちを持ち越す。 |
|---|---|
| AI学習(2割) | AIを使いこなす・いじれる時間の確保。 |
| 動画制作(1割) | ゆっくりムービーメーカーに向き合う時間。 |
| 残り(2割) | 言語化しにくい、漠然とした不適合感。 |
体験版として、最初から実践込みで動画制作の下積みをやらせてくれないかと思う。でもそんな都合のいい話は、たぶんない。
AIで稼ぐという幻想
うまい話はもうあんまりない。
AIからスターは生み出されていない。結局、元から能力のあるやつを補強しただけだ。最上位でいくらでもトークン量を払えるやつに、勝てるわけがない。そこから生まれるのは素朴さという名のチープさだけだ。
元から能力のあるやつを補強しただけ。
AIからスターは生み出されていない。
それでも俺はAIをいじっている。使いこなすことで何かが変わると信じているわけじゃない。他にできることが、今のところこれしかないからだ。
25歳。チャンネル登録者1,000人の夢
自分の制作する動画がちょっと広まって、チャンネル登録者が1,000人を超える。そんなこと、絶対にない。
でも万が一あったとしたら。
自分のおじいちゃんの生まれ育った町で、夜ひとり、ケーキを持ち寄る。その映像を全世界に公開する。それがウケなくて、やっぱり自分は惨めなんだと思う。
それでも嬉しく思うだろうね。
1,200円を取りにいかなかった。家賃を自分で払うことになった。AIでスターにはなれない。動画は誰にも見られていない。
全部、事実だ。
だけど2ヶ月後の俺は、たぶんもう少しマシになっている。損しないような行動はするようになっている。そこまで馬鹿じゃないから。
──その先のことは、まだ分からない。